縁あって入社してくれた人に対して、経営者が望むのは「すぐれたリーダーシップを発揮できる人」に育ってほしいということである。なぜなら、会社は基本的にチームで仕事をするからだ。チームは一人のリーダーと、それにしたがう複数のメンバーから成る。もしも、メンバーの数の足し算でチームの力が決まるのなら、リーダーは必要ない。メンバーが五人としたら、その力を十人ぶん、二十人ぶんにも発揮させるのがリーダーの役割である。
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ところが、すぐれたリーダーシップを身につけたいと思っても、じつは「教材」が少ないため、多くは「独学」で学ばざるをえない。あるいは、自分の上司を「教師」あるいは「反面教師」として学んでいくしかない。なぜ「教材」が少ないかというと、世の中にはすぐれたリーダーシップを発揮した人、いま発揮している人は多いが、そういう人がきちんと書物に書き残しているかというと、なかなか見当たらないからである。また、たとえ「教材」が豊富にあったとしても、それは座学にすぎない。MBAを取ってもすぐに経営者になれないように、経営の何たるかは座学のほかに実践を通じて学ぶ必要がある。つまり、実際にリーダーの立場になってからでないと、リーダーシップの本質を学ぶことはできないのである。