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数週間でトレンドは色あせ始める

昔は、ファッションの流行は何年も、時には何十年も続いたものだ。それが今では、私たちが屈してからわずか数力月、いや数週間でもうそのトレンドは色あせ始め、入れ替わりに別のトレンドがマストーアイテムになっている。店側も、もはやそれ相応の季節まで待ったりはしない。七月にショッピングに出かければ、目に付くラックは秋物のセーターやジャケットで占められ、夏物は奥のほうに追いやられている。だが、おめでたい私たちは、バカバカしいほど目まぐるしく移り変わる流行に、なすすべもなくただ小切手やセンスのよさを奪われていくばかり。スピードーシックはファッションのクラックーコカインだ。安くて速くて病みつきになる。私たちは、消費行為でいっときハイになれる。買ったばかりのファッショナブルな服がプライドと自信に酔う幸せをくれるので、肩で風を切り、満足感に上気したニコニコ顔で帰宅するのである。極端な場合には、歯止めが利かなくなり、罪の意識さえ感じなくなってしまう場合もあることがわかつている。二〇〇〇年五月、アンダーセンーコンサルティング社元社員のエリザベスーランドルフーローチが、会社から約二五万ドルを横領した罪を認めた。二五万ドルもの年俸をもらっていたというのに。判事は、彼女が罪を犯したのは買物依存症のせいだとし、保護観察とセラピーという軽い罰を言い渡した。弁護士の話では、病状は深刻で、強迫観念から靴を七〇足も持ち、ベルトのバックルひとつに七〇〇〇ドルもはたき、ロンドン旅行中に三万ドル分の買い物をするほどだったという(熱中しすぎて、帰りの飛行機に乗り遅れたらしい)。トレンドが登場すると、私たちは、やがてそれが消えていくことは重々承知していながら飛び付いてしまい、結果として、ゴミ箱行きか古着屋行き、ダンスの肥やしになる運命の服を山のように抱え込むことになる。アメリカ人は、服やアクセサリー類を買い揃えるのに年間一〇億ドル以上を使っている。無理もない。アメリカ人女性が持っている靴の数は平均三〇足で、五〇足以上持っている女性も六%以上いるらしいのだから。二〇〇一年の調査では、彼女たちはニットのトップスを四〇着近くも持っているという。