某エステサロンを訪れると、ちょうど医者のもとを訪ねた時と同じように、まずカウンセリングが行われる。フェイシャル、ボディ、脱毛、どのコースを希望する客もすべて、このカウンセリングを受けることになっている。これによって客の心の扉を開き、その人その人の悩みや目的に合わせた最適のプログラムを組み、それをアドバイスしていくために欠かせないプロセスである。この時使用されている問診は、アメリカの一流大学のひとつであるコーネル大学で作成されたテストに基づいて考案されたテスト項目に準拠しているという。いかに専門的な配慮がなされているかに注目したい。「身体はひとつの宇宙なのです。美しさというのは、その身体を外からみた状態でもあるわけですよね。ですから、内面が健やかに整っていなければ、絶対に美しくなれない。心の状態も敏感に健康状態に反映します。東洋医学では陰陽五行説などと“陰陽”という概念で健康を考えます。『陽』は発展するエネルギーである反面、これが過ぎると疲労し、衰弱してしまうのです。それを補うのが『陰』なのです。陰陽のバランスがとれていることが、最高の美しいバランスにつながるはずです。エステにおいても、こうした陰陽の発想を持つべきなのではないか。それが私の主張です。第一、同じ顔形の人をみても、明るい印象の人と、悩みで暗い表情をしている人では、どちらが美しい印象を与えることができるか、いうまでもありませんよね。カウンセリングで悩みを聞き出すことによって、カタルシスというのですが、内にこもった悩みを解放し、吐き出してしまうという、ひとつの療法にもなっているのです。これももう、エステの一部と考えています」アメリカ映画によく登場する、精神分析医を訪れる光景を想像していただきたい。