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自分に共通項などないと思っていた

眼鏡を掛けた青白い顔をした細い男だった。自分はジャーナリストだと名乗った。医療関係の記事を専門にネタにしていると個室で言った。サービスはいいからその時問を取材させてくれ。私は軽く、いいですよ、と答えた。お金を払うのであれば客は客だし、医療関係と自分に共通項などないと思っていたからだ。ジャーナリストは自分が話をする度に眼鏡のフレームを触った。それが癖みたいだ。落ち着きがない。「あなた、双子ですね。妹は今や大人気モデルの××さん。違うかな?」「どうしてそう思うの?似ているから?」「いえ。調べたからですよ。ご身内から聞いているよね。あなたに双子の妹がいることを」「お客さん、刑事じゃないわよね?」「違いますよ。まずは活躍中の××さんに取材の申し込みをしたんだよ。けれど芸能事務所の壁は厚いよね。私なんかではとても相手にしてもらえない。たとえどんな証拠があったとしても」「証拠?」「あなたと××さんの過去に関することです」「なんのことだか、わからない」「わからない?あなた、ご自分の出生の不思議を知らないの?」「知りません。出生の不思議?」「その通り。まずこれを見てください。読めます?」ジャーナリストは青白い手でバックから手帳を取り出し、その手帳のなかからある新聞記事を取り出して私に見せた。私はその記事を読もうと努力するが、手が震えてしまって読むことができない。記事があの惨殺事件に繋がっていると予感したからだ。「この記事、しばらく預からせていただけませんか?内容によってはあなたにご協力できるかもしれません」仕事が終わって深夜営業のファミリー・レストランに入った。