自動車や鉄道で旅をして歯がゆいのは、目的地での機動力である。観光ガイドに出ている、ある種作られたようなエリアだけでなく、多少美的には譲るところがあったとしても、むしろ人びとの生活の息吹や往時のようすがが、より生き生きと感じられるようなところまで足を伸ばそうと思えば、どうにも徒歩では行動半径が狭い。かといって、バスなど都市内の公共交通機関もまた制約が大きい。狭い路地や駐車場の関係で具合が悪い。ここはやっぱり、自由度の高い自転車がいちばんなのである。
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岐阜県の高山や、石川県の金沢などの古都は、徒歩の観光客があまり行かないところにいいものも残されているのであって、これを見逃す手はない。そういう街は全国各地に数多くある。私はまだじっくりと訪れたことがないが、山口県の萩や、岡山県の倉敷、福島県の喜多方などもそうした見所に恵まれた街と言えるだろう。それどころか、京都や奈良のような日本を代表する古都であっても、自転車の視点は無限とも言えるほど広く深いから、きっとふつうの観光ルートが取り上げないようなところに、新しい魅力が見つかるに違いない。